フライタイイング入門 フライフィッシングの面白さと奥深い魅力を様々な角度から徹底紹介!

タイイング

フライタイイング 毛鉤を巻く

フライタイイング用品


フライタイイングとは


画像の説明

タイイングとは、毛鉤を巻く作業を言います。
バイスという小型万力のような道具で、鉤を固定し、細い糸が巻いてあるボビンを使って鉤に、様々なマテリアル(鹿やうさぎなどの動物の体毛、孔雀や鴨などの鳥の羽、シンセティックな化学繊維等)を使い水棲昆虫や陸生昆虫を模して、巻いて作っていきます。
そこには、釣り人の創造力がふんだんに発揮され、人それぞれ個性的なフライを完成させていきます。

フライ(毛鉤)の種類は何万もあると言われています。しかし、実際に使うフライはかなり絞られてきます。昆虫類の種類や生息形態を把握しておくとポイントを抑えて効率よく巻いていけます。

フライの種類

  • イミテーションフライ

水生昆虫や陸生昆虫、小魚やシュリンプ、ヒルなど魚が捕食している物を模して巻くフライを言います。マッチザハッチの釣りには、色や大きさなどの正確なイミテーションフライが大きな効果があります。

  • アトラクターフライ

実際には生き物として存在しない形態のフライの事で、魚が思わず口を使ってしまったり、敵愾心から攻撃するような魚の本能的な部分にアピールしていくフライです。

  • アトラクトイミテーション

私が勝手に名づけたものですが、簡単に言えばイミテーションとアトラクターの複合、ミックスです。こういった観点でフライを制作している人はあまりいないと思いますが、新しい発想だと思います。

ただ、イミテーションフライを改良していくうちに無意識に、アトラクターの要素も加わっていたというフライもあります。そういった視点をもっと意識的に取り組めば面白いのではないかと思っています。

水生昆虫

  • 水生昆虫のステージ [#cccdf9a6]
名称/形態メイフライカディスストーンフライミッジ
幼虫ニンフラーバニンフラーバ
羽化イマージャーピューパイマージャーピューパ
成虫ダン・スピナーアダルトアダルトアダルト

大まかには上の表のようにそれぞれのステージがあり、どのステージも魚の捕食対象になります。幼虫〜羽化までが水面下から水面直下、成虫が水面に浮かせるフライになります。


更に細分化してくと、

 : 水生昆虫の卵です。

蛹(ケース) : カディスなどは蛹の時は自身を守るためにケースを作り、その中に生息したりします。

フローティングピューパ  : ユスリカのピューパが羽化の為に浮上し、水面膜に張り付いたような状態で流下する様。

フローティングニンフ  : メイフライニンフが羽化の為に浮上し、水面膜に張り付いた状態で流下する様。

スティールボーン :  羽化に失敗して翅がグチャとよれてしまったり、シャツク(脱皮の抜け殻)を引きずったまま絶命してしまった固体。

スペント :  羽化後に何らかの外的影響で、翅を左右に広げ水面に付けたまま流下する固体。

ダイビングスピナー : スピナー(成虫)が水の中で産卵する為に、空中から水中にダイビングしてくる様。よって、水中でも成虫の姿で流されていく。

などがあります。

陸生昆虫

陸生昆虫は、陸で生まれ育つ節足動物のことをいいます。
水生昆虫の羽化が少ない初夏から秋にかけて、魚たちの捕食対象になります。陸生昆虫は川辺に覆い茂った木々から風などで水面に落下し流される事が少なくありません。そんな状態の昆虫を魚達は目ざとく見つけ、捕食しています。

代表的なものに、

アント(蟻)ビートル(コガネムシなど)ホッパー(バッタ)
モス(毛虫)カメムシドラゴンフライ(トンボ)

などがいます。

小型の魚より、大型のレインボーやブラウンの方が大きめの陸生昆虫を好んで捕食する傾向にあるようです。
時として、アントやホッパーはすごい威力を発揮します。

魚の捕食物を調べる


  • 魚の胃の内容物を調べる

魚が何を捕食しているか分からない場面は多いです。そこでどうにか最初の一匹を釣り上げ、ストマックポンプという魚の口から入れて胃の内容物を吸い上げる道具を使い、何を捕食しているのかを調べます。


  • 川の流下物を調べる

魚が何を捕食しているのか見当がつかない時、魚を一匹でも釣り上げればストマックポンプで魚が食べている胃の内容物を調べられるのですが、一匹も釣れない時はどうにもなりません。そんな時は少し上流の流れにインセクトネットを設置して流下物を調べます。ネットで採取した昆虫の種類や形態、フィーディングレーンなどをを断定して、それに合ったフライをセレクトする訳です。こういった作業も何だかサイエンスチックで面白いです。

しかし、実際にはそこまで大掛かりにはなかなか出来ませんので、そんな時はランディングネットを上流の流れにしばらく入れて流下する昆虫を採取します。何かしらのヒントが得られればそこからまた推測し、釣れるパーセンテージを上げていきます。



タイイングにも慣れてくると、自分独自のフライを作ってみたくなります。そこで、ストマックポンプで吸い上げたサンプルを採集瓶にアルコール漬けにして家に持ち帰り、そこからあれやこれや想像力を働かせて、タイイングに励みます。

巻き上がったフライを大事にフライボックスにしまい、川に出掛け期待を胸にフライを流れにトレースします。「ガボッ」っと魚が自分の巻いたフライに飛びついてきたその瞬間は、最高の感激を味わう事が出来るでしょう。


タイイング動画

ここではタイイングの手順を動画で紹介します。

  • Tying an Elk Hair Caddis動画

1つ目はエルクヘアーカディスです。このフライはカディス(トビゲラ)のアダルトを模したドライフライです。シンプルで実際よく釣れるフライです。色々なサイズや色を用意すると思わぬすばらしい効果を期待できるフライです。


Tying an Elk Hair Caddis

この動画に日本語解説を付けてみました。詳しくはこちら→Tying an Elk Hair Caddis動画 日本語解説ノート



  • Tying The Adams Dry Fly動画

2つ目はアダムスというメイフライ(かげろう)を模した代表的なフライです。ブラウンとグリズリーのハックルがかもし出す虫っぽさは何とも独特な雰囲気を放っています。自分が魚だったら思わず食べてしまうだろうな、と思わせるスタンダードなフライです。

Tying The Adams Dry Fly





■フライフィッシングをまだやっていない時に、友達と釣具量販店に何気なく入ったんですね。色々と見て回っている中で、一際綺麗な物が目に飛び込んできました。それが、孔雀の羽、ピーコックでした。

画像の説明

もう何とも言えない感覚が湧き上がってきました。

この綺麗な羽をどう釣りに使うの?
なんでこんなに綺麗なの?
どう釣りと結びつくの?
他にも様々な色合いの羽や動物の体毛らしきものがあるけど、どうする訳?

ちょっとしたカルチャーショックでした。

フライフィッシングって只者ではないな、と何か踏み入れてはいけない領域に入っていく冒険にも似た感覚を覚えました。

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